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防護シート

  今日のNHKの午後らじに索道愛好家が出演、面白かった。ロープウエイのことを索道ともよぶらしい。愛好家の愛好ぶりはそこまでやるかの愛好ぶりでる、到底まねのできるものではなさそうだった。愛好とは天性のもので、天性を持たないものが真似たところで無駄骨に終わるということなのだろう。

 もっとも、索道愛好家の視点から見ると、天性を持たない、単なる観光客のロープウエイ内の雑談が結構面白いらしい。「ゴンドラが落下したら一巻の終りね」とか、「こっちのゴンドラより、あっちのゴンドラの方が速い」とか言う客が必ず一人はいるそうである。

 人に対する愛好についても、天性の愛好者が存在するだろうし、そういうわけでもない、観光旅行的な愛好の人もいるだろう。ほとんどの人が観光的に人を愛好し、結婚とかをしているのかも知れない。また、それでいいのかも知れない。

 

 六本木のビル改装現場で180cmの鉄パイプが落下して死傷者が出た。30年前を思い出す。私も間一髪で人を死傷させるところだった。あの瞬間を実際に見ていたのか、見ていなかったのか、今となっては確証はないのであるが。しかし、私の手元から弾け飛んだ大きなシャックルがゆっくりと落下し、白いブラウスを着た女性の背中を掠めてゆくのを、さしたる感想もなく見下ろしていた記憶ある。

 落下のタイミングが1,2秒早まっていたら、あのシャックルは女性の頭蓋を砕いていた可能性がある。ビルの6階の窓から見下ろしていたので、正確ところは解らないが、可能性だけは十分ある。もしも、女性の頭蓋に命中していたら、今の私は存在していないかも知れない。多分終っていたと思う。

 効率よく作業を進めるために社長が常識外れの作業方法を取った結果であるから、社長は懲役、私の場合は執行猶予付の刑ということになろうが(爆)、しかし道義的責任は重く、永遠だ。

 だいたいあんなデカシャックルはロープ作業には使用しないものなのだ。それなのに用具の準備を怠り、その上ロープ作業初心者に等しい私にあんなとんでもないシロモノを支給したのだ。ああ、なんか、腹がたってきた。

 近くのマンションで改装工事をやっているので、「防護シート」を見物してみたが、幅が実に狭い。2メートルおきくらいに繋ぎ目がある。溶液や軽いもの、幅の広いものに対してはそれなりの効果があるかも知れない。しかし、工具や鉄パイプなど重く細いものに対しては効力に疑問がある。まっすぐに落下してくれるならいいが、何かにぶつかってシート側に跳ねたら繋ぎ目から外に飛び出す可能性十分だ。六本木の事故は多分繋ぎ目から飛び出してしまったケースだろう。

 幅の広いシートを使用するとなると設置と後片付けが大変だろう。しかし、気休めの効果しか持たない防護シートでは危険極まりない。これからは建築、改装現場を通る時には様々な注意を払いつつ、足早に通過したほうがいい。